USPTOs July 2015 Update: Subject Matter Eligibility

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Published at PTOs website July 30, 2015

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Summarized by Tatsuo YABE

Examples 追記:August 23, 2015

August 11, 2015 

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筆者コメント:

2015730日、USPTO101条(特許保護適格性)審査ガイダンスのアップデートバージョンをウェブサイトで公開した。 今回の審査ガイダンスは(July-2015-Guidance20141216日のInterim Guidanceを補充するものであって内容を変更するものではない。 

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また、今回のガイダンスはFINALではない(さらなるコメントを20151028日まで受けるとしている: Federal Register/Vol.80, No. 146, Pg. 45429)。 今回のガイダンスによって特許保護適格性の例外(”judicial exception”:以下、単純に「例外」と称する)の一つであるAbstractアイデアの定義が詳述された。 Abstractアイデアは4つのコンセプトに分類され、それぞれに対する例示がされた(以下参照)。 今回のガイダンスの内容から出願人にとってプラスと理解されるのは、審査官が101条拒絶をするには、明白にその理由を記載しなければならないという点、さらに例題2127(Appendix 1)が追加され、どのような場合に保護適格性あり(クレームが「例外」を含んでいるが全体として101条を満たす)という例が増えた。 それら例題に対するPTOのコメントから、101条拒絶に反論する場合の結び文章をどのように記載するのが効果的であるかが理解される。 従って、実務者はこれら結び文に繋がるように理由づけ或いは理由づけできるようにクレームを補正しなければならない。それら結びの文章を本文の末尾に列記しているので実務者は参照されたい。

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さらに、Appendix 1Example 23 では同一の発明に対して4項の仮想独立クレームが起草され、それら各々に対してAliceTwo-Partテスト(101条審査)が適用されている。 他のExamples(Ex21-Ex22, Ex24-Ex27)は個々に異なる技術分野で一つの独立クレームに対する検討なので、どのような特徴を追加すれば101条を満たすのか、逆にどの特徴を削除すれば101条を満たさないのかなど判断(予想)するのは難しい。その点Example 23では、同一発明をベースとした解決手段としての4項の独立クレームのうち2項は101条を満たし、他の2項は満たさないという仮想分析である。 依って、Example 23のこれら4項の独立クレームを学習することで、機械・電気関係の発明に関して、クレームが「例外」を含む場合にクレーム全体としてどのように構成要素(limitations)を規定していれば101条を満たすのか(クレーム全体として「例外」を顕著に超えたものになるのか)ある程度の予想がつく。 ごく一般論ではあるが、機械・電気関係の発明に関してクレームが101条を満たすか否かの判断基準は、従来技術の問題点(改善余地のある点)を解決(改善)する手段に相当する必要最小限の構成要素がクレームに記載されており、当該構成要素によって現実空間で有益な効果を生じる当業者が理解できるか否かであると思料する。結局は、101条の条文(以下)のusefulという文言を加えた立法趣旨を掘り起こしているようである。

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35 U.S.C. 101:

Whoever invents or discovers any new and useful process, machine, manufacture, or composition of matter, or any new and useful improvement thereof, may obtain a patent therefor, subject to the conditions and requirements of this title.

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さらに、本ガイダンスにおいて101条判断は法律問題で事実審を要しないと明言している(勿論、判例を根拠としてそう述べている)。従って、2010年のBilski判決2014年のAlice判決以前に2014-IEGAlice判決Two-Partテスト(ステップ2Aとステップ2B)を経ることなく権利化された特許保護適格性が疑わしい特許で権利行使をされた場合には地裁で略式判決(Summary Judgment)を申請することができる。しかし、残念ながら新規性と進歩性のみが無効理由となるIPR(USPTOPatent-Death Squadと称される)では対応できない。

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2015730日、USPTO101条(特許保護適格性)審査ガイダンスのアップデートバージョンをウェブサイトで公開した。 前回のガイダンスは20141216(2014 Interim Guidance on Subject Matter Eligibility: 2014-IEG)に公開されたもので、今回の審査ガイダンスは2014-IEGを補充するものであり、2014-IEGの内容は大きく変更或いは否定されていない。

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以下の補足資料が追加されている。

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Appendix 1: これまでに公開した20Examples(合計20)に追加しExamples 21-27

Appendix 2: これまでに公開した計20Examplesと今回のExamples 21-27の一覧表

Appendix 3: 101条に関連する最高裁判決とCAFC判決の一覧表

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但し、今回のJuly 2015 Exam Guidanceにおいて以下の内容が補充されている(2014-IEGに対する質問に回答した):

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1.さらなる101条審査の例題(Mayoテスト、Two-Partテスト)

特にMayoテストのステップ2Bsignificantly moreを満たす例(Appendix 1Examples 2127)をより多く含んでいる。

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2.Markedly Different Characteristics Analysis(自然をベースにした産物が自然の産物と顕著な差があるか否かを判断するテスト:MDCテスト”と称する)

2014-IEG公開後にMDCテストをMayoテストのステップ2Aにおくべきか、ステップ2Bに置くべきかの質問に対して、回答した。 出願人にとってもMDCテストはステップ2Aに置くのが好都合であろうということで2014IEGのステップ2AMDCを判断するということに変更は無し。

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3. ステップ2AAbstractアイデアとは?

2014−IEG公開後に何がAbstractアイデアの範疇に入るのかに関して多くの質問があり、それに回答した。基本的には以下の4つのコンセプト(概念)に該当するものをAbstractアイデアと判断する。言い換えると、クレームの概念(構成物)は以下の4つのコンセプト(概念)の範疇に属さない場合には審査官はAbstractアイデアというSTEP 2A「例外」と判断できない。

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A. 基本的な商業上の行為(活動) – “Fundamental Economic Practices

即ち、経済・商業上の行為であって、例えば、当事者間で交わされる契約、法的義務、或いは、仕事の関係を含む。 基本的なという用語が付いているが旧来のもの、或いは、周知である必要はない。 

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B. 人の行動を組織化する特定(Certain)の方法 – “Certain Methods of Organizing Human Activity

社内、社外を問わず、人と人との間の行動に関する概念であって、人間関係、当事者間での決済、社会活動、人の行動を管理すること、法的義務の履行を回避すること、宣伝、営業活動、及び、販売活動、行為、さらには人の精神活動を管理することを含む。 2014−IEGにおいても Certainという用語を用いることで、人の行為を組織する全て、或いは、人による機械の操作までもBの範疇にはいるのではないということを強調するためである。

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C. アイデア自身 – “An Idea of Itself

事例化されていない概念、計画、或いは、人の精神活動の過程(思考)、及び、ペンと紙で成す思考のようにアイデア自身のことを言う。 アイデアという概念は他のカテゴリーに属する場合もある。 例えば、著作権で保護されたメディアにアクセスを許容するのと引き換えに宣伝を表示するというステップはアイデア自身の範疇に属するが、クレームが宣伝を含むので人の行為を組織(体系)化する方法の範疇にも属する。

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D. 数式・数学の定理(公式) Mathematical Relationships/Formulas

数学の問題の解法手順、数式、数学の定理、及び、計算のような数学の概念を含む。判例に見られるように、数学の概念は自然法則に該当する場合もある。

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http://www.tatsuoyabe.aki.gs/2015-J1.jpg

http://www.tatsuoyabe.aki.gs/2015-J2.jpg

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4. 審査官が101条拒絶を打つための挙証 - Requirements of A Prima Facie Case

2014−IEGにおいて審査官が101条拒絶をするための挙証基準、言い換えると、どのレベルの挙証責任を果たせば審査官は101条拒絶を出せるのかという質問があった。 審査官がPrima facieの挙証で拒絶できるのは挙証責任を審査官と出願人との間で割り振りするための出願審査手順におけるツールである。特に、初期の挙証責任は審査官が負担し、出願人に明白な通知となり、拒絶理由に有効に応答できるように、審査官はクレームの拒絶理由を明瞭に説明する義務を負う。 特許保護適格性(101条審査)が欠落していると拒絶する場合、例えばクレームに「例外」が含まれていることを指摘し、何故それが「例外」に属するのかを説明し、クレームで規定している他の要素を指摘するとともに、他の要素と組み合わせてもクレームが当該例外を顕著に超えたものにならないという論理的根拠を提示することで、クレームが101条の適格性を満たしていないのかを明白に且つ的確に説明しなければならない。当該論理的根拠は当業者に一般的に周知されている知識、判示事項、或いは、出願人自身の開示、或いは、他の証拠を基礎としても良い。審査官が初期の挙証責任を満たした後は、出願人の方に挙証責任が移る。

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裁判所(判例)は、クレームが101条を満たさないという(クレームの保護適格性に対する審査官の)判断(クレームがAbstractアイデアをクレームしているか否かという判断も含む)を法律判断と解釈する。然るに、訴訟において事実審を経ることなく特許保護適格性に対する最終判断をする。

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審査官はステップ2Bの判断(クレームが全体として「例外」を顕著に超えているか否かの判断)において、裁判所によって認識された事象、及び、当業者がそれらに該当すると認識する内容に基づき判断しなければならない。 例えば、裁判所は(判例において)以下に列記する機能は、コンピューターによる周知で、ルーチン(通常)、且つ、従来の機能と解釈している:

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- 演算を繰返し実行する;

- データを受信、処理、及び、記憶する;

- ドキュメントを電子的にスキャンする、或いは、当該ドキュメントからデータを抽出する;

- 電子的に記録を保存する;

- 精神的活動(知的活動)を自動化する;及び

- ネットワークを介してデータを送受信する(例:インターネットを介してデータを収集する)。

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上記リストはコンピューターの全ての機能が周知、ルーチン、或いは、従来のものであるという意味ではない。 また汎用コンピューターで汎用の機能を実施することを記載していればそれだけでクレームが101条適格性を満たさないという意味ではない。 裁判所において、クレームが全体として汎用コンピューターが人がアナログ実施可能な抽象的なアイデアを汎用コンピューターの機能で実現する場合には、コンピューターにより実現されるプロセスは抽象的なアイデアを顕著に超えるものではないと判示している。

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5.2014−IEGの審査における位置づけ(実際に審査で活用できるのか)

USPTOの審査部門からも2014IEGをどのように活用するのかという質問が寄せられた。順次トレーニングを実施している。(よくもまあバカ正直に自身の作成した審査ガイダンスの理解の困難さを露呈したものだ。筆者)

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6.101条審査において判決文で言及されているPre-Emption及び101条審査の簡略化(streamlined analysis)にどのように対応するのか

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Pre-Emption(実質的に、例外「“判例による特許保護例外”」の使用を阻害してしまうようにクレームが「例外」を規定している)に関しても2014−IEGのステップ2Aと2Bにも盛り込まれている。 Preemptiveとなるクレームは特許保護適格性はないが、完全にPreemptiveではない(例えば「例外」を特定の限られた分野で利用する)からといって特許保護適格性があるとは限らない。

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Streamlined Analysis(ステップ2Aと2Bをフルに検討しない)に関しても2014−IEGで説明したとおり、クレームの構成要素が、「例外」の使用を阻害しないということが明白な場合にはStreamlined Analysis101条審査の簡略化)を許容している。然し、Streamlined Analysisをした結果は常にステップ2Aと2Bをフルに検討した分析結果と同じである。クレームの特許保護適格性がクレームの文言から自明(self-evident)でない場合にはStreamlined Analysisは適用されるべきではない。 Appendix-1Example25rubber manufacturing)はステップ2Bをフルに検討することで特許保護適格と判断されるのに対してExamples 26(内燃機関)& 27(ソフトウェアのシステム:Basic Input/Output System)ではStreamlined Analysis101条審査の簡略化)によって適格と判断している。

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EXAMPLES:

Appendix 1: Examples 22, 23, 26のみピックアップし以下その概要まとめ:

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Example 22:

ExampleDietgoal Innovations LLC v. Bravo Media LLS (Fed. Cir. 2015-04-08)事件で問題となったUS6585516のクレーム2101条を満たさないと判断された)を審査官は2014-IEGを基にどのように審査するであろうかという例題である。 米国で社会問題になっている肥満対策に貢献するとして食事制限のメニューをユーザーが選択できるようにしたシステムに関する。

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USP6585516-Claim 2.

A system of computerized meal planning, comprising:

            a User Interface;

            a Database of food objects; and

            a Meal Builder, which displays on the User Interface meals from the Database and

wherein a user can change content of said meals and view the resulting meals impact on customized eating goals.

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ステップ1:クレームされたシステムは装置を含むので101条で規定するカテゴリーの機械に属する。

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ステップ2A: クレームが例外(判例によって保護適格性を否定された主題)を規定しているかを検討する。クレームはダイエットの目標に応じた食事メニュの選択と変更をするシステムを規定している。要は適切なメニューの計画ということだ。それは人の精神活動、或いは、鉛筆と紙を用いて、実行されるメンタルなプロセスである。依って、クレームはAbstractアイデアを規定している。依って、ステップ2AYES

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ステップ2B:クレームの他の構成要素自身あるいはそれらとの組み合わせでクレームが全体としてAbstractアイデアを顕著に超えたものかを判断する。ここで他の構成要素に相当するにはコンピューター化し、インターフェース、メニュのデータベース、メニュを創るということだがこれらはメニュ計画にあたりコンピューターの構成要素をごく一般的なレベルに活用したにすぎない。依って、クレーム2例外Abstractアイデア)を顕著に超えたものではない。

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Example 23:

Exampleは仮想例であってGUIGraphic User Interface)の技術に関連する。パソコンで作業中に複数のWindowsを開くときにテキストデータのWindow1に画像のWindow2が重複し、テキストデータの一部が見えなくなる場合がある。そのような問題を回避するためにテキストデーターのWindow1と画像データのWindow2の一部が重複し、テキストデーターが見えなくなる場合にWondow1をパソコン画面の他の位置に移動し、重複の状況を回避する。 さらに、上記重複するという状況が発生した場合にWindow1のサイズを所定の縮小率で縮小し重複が起こらない位置にテキストデータ(Window1)を表示する。尚、前記所定の縮小率とはパソコンの表示画面全体のエリア(面積)に対し重複が起こらないエリア(面積)に比例する。

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1. A computerimplemented method for dynamically relocating textual information within an underlying window displayed in a graphical user interface, the method comprising:

displaying a first window containing textual information in a first format within a graphical user interface on a computer screen;

displaying a second window within the graphical user interface;

constantly monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition where the second window overlaps the first window such that the textual information in the first window is obscured from a users view;

automatically relocating the textual information, by a processor, to an unobscured portion of the first window in a second format during an overlap condition so that the textual information is viewable on the computer screen by the user; and

automatically returning the relocated textual information, by the processor, to the first format within the first window when the overlap condition no longer exists.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

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ステップ2A:クレームはAbstractアイデアに相当する一般的な概念を規定していない。例外をクレームしていない。依って、2Bの検討をすることなく保護適格性あり。

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ステップ2B:検討必要なし。

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2. A computerimplemented method of resizing textual information within a window displayed in a graphical user interface, the method comprising:

generating first data for describing the area of a first graphical element;

generating second data for describing the area of a second graphical element containing textual information; and

calculating a scaling factor for the textual information which is proportional to the difference between the first data and second data.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

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ステップ2A:クレームは第1領域と第2領域に基づきスケール係数(拡大・縮小率)を算出することを規定している。この概念(数学の解法手順:mathematical algorithm)は裁判所でAbstractと判断された類似している(行き成り「この概念・・」この理由づけでは審査ガイダンスとして理解しがたい:筆者)。裁判所(Benson判決)は数学のアルゴリズム(解法手順)はAbstractアイデアに相当すると判示した(Benson判決)。依ってクレームはAbstractアイデア例外を規定している。

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ステップ2B:クレームの他の構成要素自身あるいはそれらとの組み合わせでクレームが全体としてAbstractアイデア例外を顕著に超えたものかを判断する。クレームの本文においてスケール係数を算出する数学の手順以外の構成要素を規定していない(何故、他の構成要素を規定していないと断言できるのか? テキスト情報、第1画像エレメント、第2画像エレメントは??:筆者)。しかしクレームのプレアンブル(序文)においてコンピューターでプロセスを実行すること、テキスト情報がユーザーと画像を介して相互作用可能なWindowに含まれると規定されている。即ち、クレームされたプロセスが画像を介してユーザーと相互作用可能な環境下で実施されると記載している。しかし、プレアンブルで発明が使用されるフィールド或いは発明の目的のみを規定している場合にはプレアンブルをクレームの限定事項と判断しない(MPEP2111.02)。依って、クレーム2Abstractアイデア例外を顕著に超えるものではない。

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3. A computerimplemented method of resizing textual information within a window displayed in a graphical user interface, the method comprising:

              generating first data for describing the area of a first graphical element;

              generating second data for describing the area of a second graphical element containing textual information; and

              calculating, by the computer, a scaling factor for the textual information which is proportional to the difference between the first data and second data.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

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ステップ2A:上記クレーム2と同様、クレームは第1領域と第2領域に基づきスケール係数(拡大・縮小率)を算出することを規定している。この概念は裁判所でAbstractと判断された類似している。 依ってクレームはAbstractアイデア例外を規定している。

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ステップ2B:クレームの他の構成要素自身あるいはそれらとの組み合わせでクレームが全体としてAbstractアイデア例外を顕著に超えたものかを判断する。クレームのプレアンブル(序文)においてコンピューターでプロセスを実行すること、テキスト情報がユーザーと画像を介して相互作用可能なWindowに含まれると規定されている。即ち、クレームされたプロセスが画像を介してユーザーと相互作用可能な環境下で実施されると記載している。クレーム3の本文において“by the computer”(プレアンブルで記載しているコンピューターを参照している)という記載があるのでプレアンブルを限定事項と解釈する(MPEP2111.02)。依って、クレームされたプロセスが画像を介してユーザーと相互作用可能な環境下でコンピューターによって実施されると解釈される。 然しながら、”computer-implemented(コンピューターによって実施される)”という記載はコンピューターをAbstractアイデアに”Apply-It! (適用せよ!)”という意味にすぎず、このような特徴のみではAbstractアイデアを顕著に超えるレベルには到達しない。依って、クレーム3はAbstractアイデア例外を顕著に超えるものではない。

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4. A computerimplemented method for dynamically relocating textual information within an underlying window displayed in a graphical user interface, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information in a first format within a graphical user interface on a computer screen;

              displaying a second window within the graphical user interface;

              constantly monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition where the second window overlaps the first window such that the textual information in the first window is obscured from a users view;

              determining the textual information would not be completely viewable if relocated to an unobstructed portion of the first window;

              calculating a first measure of the area of the first window and a second measure of the area of the unobstructed portion of the first window;

              calculating a scaling factor which is proportional to the difference between the first measure and the second measure;

              scaling the textual information based upon the scaling factor;

              automatically relocating the scaled textual information, by a processor, to the unobscured portion of the first window in a second format during an overlap condition so that the entire scaled textual information is viewable on the computer screen by the user; and

              automatically returning the relocated scaled textual information, by the processor, to the first format within the first window when the overlap condition no longer exists.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

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ステップ2A:上記クレーム2で説明したように数学の解法手順はAbstractアイデアに相当する。然るにクレーム4Abstractアイデア例外を規定している。

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ステップ2B:クレームの他の構成要素自身あるいはそれらとの組み合わせでクレームが全体としてAbstractアイデア例外を顕著に超えたものかを判断する。クレーム4Abstractアイデア以外にもコンピューターのスクリーンおよびプロセッサを規定している。コンピューターのスクリーンに表示する、或いは、プロセッサによってデータを移動させるという記載では、コンピューターの汎用機能を極一般的に利用することなので、クレームの「例外」を保護適格性のある主題に変換することはできない。しかし本クレームに関してはこれらコンピューターの基本的な機能とそれ以外の構成要素との組み合わせによって当該クレームはAbstractアイデアを顕著に超えたものになっていると理解する。第1と第2Windowsを表示し、テキスト情報が隠れるような重複表示になっていないかを検出し、テキストデータを他の位置に移動した場合にテキストデータが大きすぎないかを検出し、その場合にはスケール係数に基づき第1Windowを縮小し、自動的に重複しない位置に移動する・・・・。 これらクレームの限定事項は数学の解法手順を特定の技術分野に限定的に活用しようというものではない。寧ろ、これらクレームの限定事項は数学の解法手順の特殊な適用であって、その適用によってコンピューターの基本的な表示機能自体が改善される。依って、これら限定事項によってクレーム4は全体としてAbstractアイデア例外を顕著に超えている。

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Example 26: (内燃機関の例:Streamlined Analysisの一例)

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Claim 1 (US5,533,489)

1. An internal combustion engine providing exhaust gas recirculation comprising:

an air intake manifold;

an exhaust manifold;

a combustion chamber to receive air from the air intake manifold, combust a combination of the received air and fuel to turn a drive shaft, and output resulting exhaust gas to the exhaust manifold;

a throttle position sensor to detect the position of an engine throttle;

an exhaust gas recirculation valve to regulate the flow of exhaust gas from the exhaust manifold to the air intake manifold; and

a control system, comprising a processor and memory, to receive the engine throttle position from the throttle position sensor, calculate a position of the exhaust gas recirculation valve based upon the rate of change of the engine throttle position and change the position of the exhaust gas recirculation valve to the calculated position.

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Claim 1: Eligible.

The claim recites an internal combustion engine with an intake manifold, exhaust manifold, combustion chamber, throttle position sensor, exhaust gas recirculation valve and a control system comprising a processor and memory. Thus, the claim is directed to a machine (a combination of mechanical parts), which is one of the statutory categories of invention (Step 1: YES).

Next, the claim must be evaluated to determine if the claim is directed to a law of nature, natural phenomenon or abstract idea. But when the claim is reviewed, it is immediately evident that although the claim operates by calculating the rate of change, which is a mathematical relationship describing how a variable changes over a specific period of time, the claim clearly does not seek to tie up this mathematical relationship so that others cannot practice it. In particular, the claims description of an internal combustion engine having manifolds, valves, and sensors forming a specific structure that uses the control system to optimize exhaust gas recirculation makes it clear that the claim as a whole would clearly amount to significantly more than any recited exception. The claim as a whole adds meaningful limitations to the use of the mathematical relationship. Additionally, use of the mathematical relationship improves engine technology.  Thus, eligibility of the claim is self­-evident, and there is no need to perform the full eligibility analysis (e.g., Steps 2A and 2B). The claim is patent eligible.

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出願実務での対応:

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101条拒絶に反論する場合に有効な結び文(これら結び文に繋がるように理由づけ或いは理由づけできるようにクレームを補正しなければならない):

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From Example 21: (Transmission of Stock Quote Data)

These are meaningful limitations that add more than generally linking the use of the abstract idea (the general concept of organizing and comparing data) to the Internet, because they solve an Internetcentric problem with a claimed solution that is necessarily rooted in computer technology, similar to the additional elements in DDR Holdings. These limitations, when taken as an ordered combination, provide unconventional steps that confine the abstract idea to a particular useful application. Therefore, the claim recites patent eligible subject matter (Step 2B: YES).

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The claim recites the abstract idea of comparing and organizing data for transmission. However, the claim is eligible because it recites additional limitations that when considered as an ordered combination demonstrates a technologically rooted solution to an Internetcentric problem and thus amounts to significantly more than comparing and organizing information for transmission.

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From Example 23: (Graphical User Interface for Relocating Obscured Textual Information)

Claim 1

The claim does not recite a basic concept that is similar to any abstract idea previously identified by the courts. For example, the claim does not recite any mathematical concept or a mental process such as comparing or categorizing information that can be performed in the human mind, or by a human using a pen and paper. Accordingly, the claim does not set forth or describe an abstract idea. Instead, the claimed method is necessarily rooted in computer technology to overcome a problem specifically arising in graphical user interfaces. Additionally, the claim does not recite any other judicial exception. Therefore, the claim is not directed to a judicial exception (Step 2A: NO). The claim is patent eligible.

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Claim 4

These limitations are not merely attempting to limit the mathematical algorithm to a particular technological environment. Instead, these claim limitations recite a specific application of the mathematical algorithm that improves the functioning of the basic display function of the computer itself.

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Taking all the claim elements both individually and as an ordered combination, the claim as a whole amounts to significantly more than the mathematical algorithm of calculating a scaling factor (Step 2B: YES). Thus, the claim recites patent eligible subject matter.

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The claim recites a mathematical algorithm which is an abstract idea. However, the claim is eligible because it recites additional limitations that when considered as an ordered combination demonstrate an improvement to the computers basic ability to display information and interact with the user.

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From Example 25: (Rubber Manufacturing: Diamond v. Diehr, 450 U.S. 175 (1981))

However, when viewing the claim as a whole, the combination of all these steps taken together, including the constant determination of the temperature of the mold, the repetitive calculations and comparisons, and the opening of the press based on the calculations, amount to significantly more than simply calculating the mold time using the Arrhenius equation because they add meaningful limits on use of the equation. The claim does not merely recite the equation in isolation, but integrates these ideas into the molding process. The additional steps specifically relate to the particular variables used, how the variables are gathered, the process by which the rubber is molded and cured, and how the result of the cure time calculation is used. The totality of the steps act in concert to improve another technical field, specifically the field of precision rubber molding, by controlling the operation of the mold. In addition, the claimed steps taken as a combination effect a transformation of the raw, uncured synthetic rubber into a different state or thing, i.e., a cured and molded rubber product. Thus, the claim amounts to significantly more than the mathematical relationship (i.e., the abstract idea of the Arrhenius equation).

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The claim recites exceptions including the Arrhenius equation, which is a law of nature or abstract idea. However, the claim is eligible because it recites additional limitations that when considered as an ordered combination provide meaningful limits on the use of the equation and improve the technical field of precision rubber molding.

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From Example 26: (Internal Combustion Engine) 明らかに101条拒絶が理不尽な場合

Next, the claim must be evaluated to determine if the claim is directed to a law of nature, natural phenomenon or abstract idea. But when the claim is reviewed, it is immediately evident that although the claim operates by calculating the rate of change, which is a mathematical relationship describing how a variable changes over a specific period of time, the claim clearly does not seek to tie up this mathematical relationship so that others cannot practice it.

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考察:

 

101 Related Exercise in view of Example 23

101 Exam Guidance (JULY 2015)

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上記Example 23のクレーム1〜4に鑑み以下クレーム510を仮想的に作成し、Aliceテストを適用してみた。ごく一般論ではあるが、機械・電気関係の発明に関してクレームが101条を満たすか否かの判断基準は、従来技術の問題点(改善余地のある点)を解決(改善)する手段に相当する必要最小限の構成要素がクレームに記載されており、当該構成要素によって現実空間有益な効果を生じる当業者が理解できるか否かであると思料する。結局は、101条の条文(以下)のusefulという文言を加えた立法趣旨を掘り起こしているようである。 -- 2015-08-23追記

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35 U.S.C. 101:

Whoever invents or discovers any new and useful process, machine, manufacture, or composition of matter, or any new and useful improvement thereof, may obtain a patent therefor, subject to the conditions and requirements of this title.

 

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5. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window; and

              displaying a second window within the underlying window.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A:クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示するとのみある。 単なるアイデア(抽象的なアイデア例外)と理解されるであろう。

ステップ2B:クレーム本文に他の構成要素なし、よって、単なる第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデア例外を顕著に超えない。依って101条満たさない。

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6. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window;

              displaying a second window within the underlying window; and

              monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition between the first window and the second window such that the textual information in the first window is obscured from a user’s view.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示し、第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出するとある。 第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデアが記載されているので、例外を含むと解釈されるであろう。

ステップ2B:第3のステップ(第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出する)によってクレームが全体として抽象的なアイデアを顕著に超えたものとなっているかを検討する。 第3ステップの特徴も単に頭の中で想像できるようなレベルのことで顕著性はないと思料する。第3ステップを追加しても現実の世において有益な結果をもたらせない(画面どうしが重なりテキスト情報が見えなくなることが分かったとしても現実の世に利益をもたらさない)。依って、第3ステップによってもクレーム6は全体として例外を顕著に超えているとは言えない。

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7. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window;

              displaying a second window within the underlying window;

              monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition between the first window and the second window such that the textual information in the first window is obscured from a user’s view; and

              relocating the first window to an unobscured portion within the underlying window so that the textual information is viewable on the computer screen by the user upon detection of the overlap between the first window and the second window.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示し、第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出するとある。 第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデアが記載されているので、例外を含むと解釈されるであろう。

ステップ2B:第3のステップで第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出し、第4ステップで第1画面のテキストがユーザーに見えるようにスクリーンの他の位置に移動するとある。によってクレームが全体として抽象的なアイデア例外を顕著に超えたものとなっているかを検討する。 上記クレーム6で検討したように第3ステップの特徴は単に頭の中で想像できるようなレベルのことで顕著性はないと思料する。依って、第3ステップによってもクレーム6は全体として例外を顕著に超えているとは言えない。但し、第4ステップの特徴によって第1画面と第2画面の境界線が重複する場合には第1画面をユーザー目視の邪魔にならない位置に移動するとありクレーム全体として例外を顕著に超えたものとなっていると言えそうだ。 (画面どうしが重なりテキスト情報が見えなくなることが分かった場合に第1画面を見える位置に移動すると現実の世に利益をもたらす

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8. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window;

              displaying a second window within the underlying window;

              calculating a size of the first window and a size of the second window to obtain a scale factor;

              monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition between the first window and the second window such that the textual information in the first window is obscured from a user’s view; and

              reducing the size of the first window based on the scale factor within the underlying window so that the textual information in its entirety is viewable on the computer screen by the user upon detection of the overlap between the first window and the second window.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示し、第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出するとある。 第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデアが記載されているので、例外を含むと解釈されるであろう。

ステップ2B:第3ステップで第1画面と第2画面のサイズ(面積)から両画面のサイズの比を算出する。そして第4のステップで第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出し、第5ステップで第1画面のテキストがユーザーの視界の邪魔にならないように第1スクリーンのサイズを算出した比に比例する係数で縮小するとある。第3から第5のステップによってクレームが全体として抽象的なアイデア例外を顕著に超えたものとなっているかを検討する。 上記クレーム6で検討したように第3ステップ(サイズの比較)の特徴は単に頭の中で想像できるようなレベルのことで顕著性はないと思料する。依って、第3ステップによってもクレーム8は全体として例外を顕著に超えているとは言えない。但し、第4ステップ〜第5ステップの特徴によって第1画面と第2画面の境界線が重複する場合には1画面をユーザー視界の邪魔にならないように算出した大きさの比に応じて縮小するとありクレーム全体として例外を顕著に超えたものとなっていると言えそうだ。画面どうしが重なりテキスト情報が見えなくなることが分かった場合にテキストを見えるように第1画面を縮小すると現実の世に利益をもたらす

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9. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window;

              displaying a second window within the underlying window;

              calculating a size of the first window and a size of the second window to obtain a scale factor;

              monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition between the first window and the second window such that the textual information in the first window is obscured from a user’s view; and

              reducing the size of the second window based on the scale factor within the underlying window so that the textual information in its entirety is viewable on the computer screen by the user upon detection of the overlap between the first window and the second window.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示し、第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出するとある。 第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデアが記載されているので、例外を含むと解釈されるであろう。

ステップ2B上記クレーム8とは第5ステップで第2画面を縮小する点のみ異なる。よって、101条に関しては同じ結論。 画面どうしが重なりテキスト情報が見えなくなることが分かった場合にテキストを見えるように第2画面を縮小すると現実の世に利益をもたらす

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10. A computer-implemented method for displaying textual information within an underlying window, the method comprising:

              displaying a first window containing textual information within the underlying window;

              displaying a second window within the underlying window;

              calculating a size of the first window and a size of the second window to obtain a scale factor;

              monitoring the boundaries of the first window and the second window to detect an overlap condition between the first window and the second window such that the textual information in the first window is obscured from a user’s view; and

              relocating the first window to an unobscured portion and reducing the size of the first window based on the scale factor within the underlying window so that the textual information in its entirety is viewable on the computer screen by the user upon detection of the overlap between the first window and the second window.

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ステップ1101条のプロセスに属する。

ステップ2A クレームは第1画面(テキスト情報を含む)と第2画面を表示し、第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出するとある。 第1画面と第2画面を表示するという抽象的なアイデアが記載されているので、例外を含むと解釈されるであろう。

ステップ2B:第3ステップで第1画面と第2画面のサイズ(面積)からサイズの比を算出する。そして第4のステップで第1画面と第2画面の境界線が重なり、ユーザーの視界にテキスト情報が見えなくなるかを検出し、第5ステップで第1画面のテキストがユーザーの視界の邪魔にならないスクリーンの他の位置に移動するとともに第1スクリーンのサイズを算出した比に比例する係数で縮小するとある。によってクレームが全体として抽象的なアイデア例外を顕著に超えたものとなっているかを検討する。 上記クレーム6で検討したように第3ステップ(サイズの比較)の特徴は単に頭の中で想像できるようなレベルのことで顕著性はないと思料する。依って、第3ステップによってもクレーム10は全体として例外を顕著に超えているとは言えない。但し、第4ステップ〜第6ステップの特徴によって第1画面と第2画面の境界線が重複する場合には第1画面をユーザー視界の邪魔にならない位置に移動し、算出した大きさの比に応じて縮小するとありクレーム全体として例外を顕著に超えたものとなっていると言えそうだ。上記クレーム8-9と同様、現実の世に利益をもたらす

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