期審査(Accelerated Examination)に関する手続きの改定 By USPTO

 2006年06月26日特許庁HPで公開) 

2006年8月25日の米国特許(意匠)出願より実施可能:

 

By Tatsuo YABE

Summarized on August 19, 2006

  以下の要件を満たすことによって8月25日以降の米国特許出願(意匠出願)で早期審査を受けられます。 早期審査の目標は出願日より12ヶ月以内に審査結果をだすことです。 但し、何らかの事情で(出願人側に瑕疵がなくとも)達成できなくともそれを理由に不服を訴えることはできません。 既存の特別審査(make special)と類似するもので、クレーム合計数などに制約が設けられたことと、12ヶ月以内に審査結果を出すことをより明瞭に打ち出した点で改善されています。

(1)        電子出願(特別審査を申請: Petition to Make Special)を実施すること;

(2)        合計クレーム数は20個以内で、独立クレームは3つまで;(多数項従属クレームは不可)

(3)        審査官のインタビュー要請に応じること;

(4)        特許性の主張は独立クレームに対してのみ行うこと;

(5)        出願時点で、調査を出願人側が完了していること;

― 調査の範囲は米国特許・米国特許出願公開・外国特許公報・ 非特許刊行物を包括すること(但し、出願人がある特定範囲のサーチで十分に関連性のある先行技術文献を見つけられるということ証明できる場合には出願人の主張する調査範囲で可能);

― 調査の範囲は予想される補正クレームの特徴もカバーしていること;

― 出願時に『早期審査サポート書面』(調査結果報告書: an accelerated examination support document)を提出すること;

 

『早期審査サポート書面』は以下の内容を含むこと:

 

  * 各クレームの主題と最も関連性のある先行技術文献(IDS);

  * 各クレームの構成要素が引用される先行技術文献のどこに開示されているかを特定すること;

  * 各クレームが先行技術文献に対して何故特許性があるかの詳述;

  * 各独立クレームで規定される発明の効用に関する簡潔な説明;

  * 各クレームの構成要素の明細書でのサポート箇所;

  * Means + Functionクレームの場合には当該構成要素に対応する明細書サポート箇所

  * 103条(c)項に該当する先行技術文献(自明性拒絶の適用例外)の特定

 

  

改定概要:

項目

内容

 

A: 早期審査の要件

 

早期審査(12ヶ月以内に許可か最終拒絶かを判断する)を希望する場合には以下の要件を満たすこと:

(1)        電子出願(特別審査を申請: Petition to Make Special)を実施すること;

(2)        合計クレーム数は20個以内で、独立クレームは3つまで;(多数項従属クレームは不可)

(3)        審査官のインタビュー要請に応じることに同意する;

(4)        特許性の主張は独立クレームに対してのみ行うことに同意すること;

(5) 出願時点で、出願調査を出願人側が完了していること;

― 調査の範囲は米国特許・米国特許出願公開・外国特許公報・ 非特許刊行物を包括すること(但し、出願人がある特定範囲のサーチで十分に関連性のある先行技術文献を見つけられるということ証明できる場合には出願人の主張する調査範囲で可能);

― 調査の範囲は予想される補正クレームの特徴をもカバーしていること;

― 出願時に『早期審査サポート書面』(調査結果報告書: an accelerated examination support document)を提出すること;

『早期審査サポート書類』は以下の内容を含むこと:

  * 各クレームの主題と最も関連性のある先行技術文献(IDS);

  * 各クレームの構成要素が引用される先行技術文献のどこに開示されているかを特定すること;

  * 各クレームが先行技術文献に対して何故特許性があるかの詳述;

  * 各独立クレームで規定される発明の効用に関する簡潔な説明;

  * 各クレームの構成要素の明細書でのサポート箇所;

  * Means + Functionクレームの場合には当該構成要素に対応する明細書サポート箇所; および

  * 103条(c)項に該当する先行技術文献(自明性拒絶の適用例外)の特定

 

B: 出願時に早期審査要件を満たさない場合

早期審査の要件(上記)を満たさない場合、出願人には1回の補正の機会が与えられる。  出願人は1ヶ月以内(1.136に基づく期限延長不可)に不具合を解消しなければならない。 但し、早期審査の要件が欠落する通知を受けた場合には12ヶ月以内に審査の結論を得られるという保証はない。

 

C: 拒絶通知への対応

OA(許可可能通知あるいは最終拒絶通知以外のもの)が発行された場合には出願人は1ヶ月以内に応答しなければならない。 1ヶ月以内に応答できない場合には出願放棄となる。  クレーム補正によってクレーム数が制限(全体で20:独立3つ)を超える場合には応答不備となる。 クレーム補正によってクレーム主題が初期サーチの枠を超える場合には応答不備と判断され、さらに、クレーム補正によって非選択されたクレーム(エレクションでキャンセルの状態となったクレーム)に発明が移行する場合にも応答不備となる。  

発明の単一性を満たさないと判断された場合には電話エレクションを実施すること。(Election with Traverseは不可)

 

D: 発行費用の支払い

特許証発行費用は許可通知が発行されてから1ヶ月以内に納入(3ヶ月以内に支払わない場合には出願放棄となる)。

 

E: 12ヶ月以内に審査結果を出すと言う意味

12ヶ月以内の審査完了とは出願日より12ヶ月以内に以下が実現されることを意味する:

(1)                           許可通知の郵送;

(2)                           最終拒絶通知の郵送;

(3)                           出願人がRCE(係属審査請求)を実施する;

(4)                           出願の放棄;

注意: 12ヶ月以内に審査結果を出すというのは目標であって、それが実現しないということを不服申立、或は、審判理由にすることはできない。 例: 第1回目のOA発行の後にIDS提出という事態によって12ヶ月以内に審査が完了できない場合などが予想される。

 

F: 審判

最終拒絶を不服とし審判請求を実施する場合に、審判部においては通常の審判手続きで対処されるが、審判部から審査部に差し戻された場合に審査部としては早期審査の扱いを維持する。

M: その他:

出願人の健康状態・年齢65歳以上を要件として実施される現行の特別審査(Make special)の手続きに対しては現行規則を維持するが、それ以外の理由による特別審査(特許製品の製造予定; 侵害行為; 環境を改善する発明; エネルギーに関する発明; DNA関連; 超伝導材; HIV/AIDS関連、 がん治療関連、テロ活動阻止に関わる発明; 小規模事業者によるバイオ発明に基づく特別審査)は本改訂規則が適用される。

施行日:

 

 2006年8月25日以降の米国特許(意匠)出願より実施可能

  詳細は以下URL参照ください: USPTOのHome Pageのリンク)

http://www.uspto.gov/web/offices/pac/dapp/opla/presentation/focuspp.html#accelerated

(1) US Patent Related 

(2) Case Laws 

(3) LINKS

Home