自明性(Secondary Consideration)に関する判決:

 

Ex Parte Lebovich: PTAB 2020-09-15 (Objective Evidence)
自明性(客観的証拠と審査官の拒絶理由とを比較衡量):
本事例はPTABによる審決であり自明性の判断に関する。特に、出願人が提示する客観的証拠の取り扱いに関する。審決で明示されているように、自明性の最終判断は、審査官の自明性拒絶と出願人の提示する客観的証拠の強さを天秤(比較衡量)に掛けて判断する。

 Fox Factory v. SRAM LLC - Fed. Cir. 2019-12-18
自明性客観的証拠):
本事案は103条(自明性)判断における2次的考察事項(商業上の成功など)と問題となるクレームとのNexus緊密な関連性)に関して判示した。即ち、問題となる特許クレームにABの特徴のみが規定されており、商業上の成功を収めた製品がABに加えてCという重要な特徴を備えている場合にクレームと2次的考察事項との間にNexusが存在すると言えるのかが争点となった。 

Liqwd v. L'OREAL USA - Fed. Cir. 2019-10-30
自明性(客観的証拠):
本事案は自明性判断における「客観的証拠」の取り扱いに関する。1966年のGraham最高裁判決で自明性を判断するのに客観的証拠(secondary considerationとも称する)も考慮に入れると判示された。客観的証拠の例としては商業上の成功(但しクレームとのNexusが必要)、長年望まれたニーズ、業界紙による賞賛、他者によるコピー(copying by others)などがある。本事案では他社によるコピー(copying by others)が問題となった。